東京大都市圏から2時間余り、車でも電車でも東に太平洋を目指して行けば、そこはもう房総。人生の後半生をのんびり暮らしたい、東京からも近くそれほど不便でない立地で、広い土地に念願の木の家を建てたいという方も多いことでしょう。
それを実現する第一歩として、「房総で木の家に暮らす」ための基礎知ッをお知らせしましょう。
海洋性、内陸性の気候の違いは?
東京湾側の内房、太平洋側の外房や南房とでは、気候、風土が大きく異なります。また、海の近くと少し内陸に入った所とでは夏、冬の寒暖差が全く違います。基本的に房総は雨が多いのは変わりません。
風も、内房は東京と同じように冬の北西風が強く、外房では東京とは違い北東風が、夏でも冬でも冷たい風をもたらします。鴨川や白浜の南房地域は地ソも変わり、気候も黒潮の影響下になります。それも山があることで感じ方が異なります。ですから「房総」を一括りして住み方を考えることはできません。
立地、地形、方角の違いで家は変わる?
更に、細かく実際に住む立地を検討するときには、平らな田園地帯と山間部、海岸のそばでは建物も生活のスタイルも変わります。房総には大きな山や川がなく、古くからどの場所にも人が住みつくことができました。そうした農村部の家は、風通し、シ気、日当たり、土砂の安全性、地下水の良さなど何世代にも渡って引継がれてきた「住みやすい」立地であることが分ります。
「駅のそば」とかスーパーまでの距離で家は建てなかったのです。せっかく房総に暮らすのでしたら、昔の人の知恵に学んで土地の条件やそれに合わせた建物への配慮を生かした家作りをしましょう。
土地には「掘出し物」はない?
農地や宅地、山林など地目のこと、また市街化調整区域、各都市計画指定地域など家を建てる前に土地の条件があることを考慮しましょう。これは不動産業者さんが責任を持って解説、アドバイスしてもらえることです。また、地盤のこと井戸水や樹木の伐採、造成工事内容などもよく調べておくことも大切です。
一般的に土地の値段には高過ぎたり、安過ぎたりすることはなく、ご自分の予算の中でベストロケーションを選ぶことのほうが大事です。
交通手段は便利なのがよい?
房総へは鉄道、高速道路、一般道路を使い東京、横浜地区から比較的混まずにアクセスできます。でも公共交通では都会の便利さはありません。自動車での移動が一般的ですが、ゆっくりと生活するのであれば高速バスの利用や、ローカルバスを使ってもやっていけます。
道路網は山が低く、大きな川もないため房総の中心部から放射状に整備され意外と便利にできています。道を覚えれば海岸線の国道だけでなく山の道を使いスムーズな移動ができます。立地を選ぶ場合でも鉄道路線にあまりとらわれずに決めることができます。尚、農村部は道幅が狭いためカントリーライフ志向の方には軽四輪がお勧めです。
田ノのお付合いは難しい?
房総でも方言があります。それも漁師さんとお百姓さんとでは違います。言い方は少々荒っぽい表現で、喧嘩しているようにも聞こえますが、それが普通なのです。
町、村ごとに神ミやお寺がありいろいろな祭事があります。決まった日に市が立つ伝統も残っています。昔からの部嵐P位での結束は今でも固く、ちょっと排他的なこともありますが、普通は新たに外から人が住み着くことを歓迎してくれます。お付き合いも特別変わったことはありません。要はその方の、隣近所への配慮とお付き合いの常識があればよいのです。
地域情報は豊富な方がよい?
地元の方との触れあいは、都会の方にはちょっと分らないこともありますが、野菜作り、植木のこと、海釣りやゴルフ場のこと、おいしいお店のことなど生活に役立つ大事な情報源です。どこに家を持つかでその地域の文化に触れることになるので、前もって情報を多く持つことをお勧めします。
また、都会から移住してきた方々同士のお付合い、ボランティア活動もあります。過去の肩書きや、しがらみを抜きにお付き合いできる楽しさがあります。一方、周りとのお付き合いは控えめに、ひっそりと暮らすことも大事な選択です。ですが福祉サービス、医療情報、住宅補助制度や合併浄化槽補助制度、乳幼児医療費助成制度や高齢者支援体制など、住む町の情報を知ることはどこに住もうともあらかじめ心得ておきましょう。
長持ちする木の家は得?
ここでは一般的な房総で家を建てる場合のアドバイスです。
家は自分の代で使って終わることはありません。むしろ何代にも渡って使える家こそ最初の住人にとっても最良の家になります。都会から来た方は家族で相続するよりも次に住む方に譲り渡すことが多くなるでしょう。その場合でも、手入れさえちゃんとしておけば、100年程度は使えるのです。4〜5世代に渡って使える家は、その価値も減ずることなくリーズナブルな値段で、売買、賃借することができます。間取りも房総ライフを楽しむためにシンプルに大きくとっておけば次の人にとっても使い易いのです。
風呂、水周り設備は1世代で交換し、屋根は2世代くらいで交換すればゆうに100年の寿命が得られるのです。
当然ですが、その家の建つ立地、方角、敷地の条件を前提として、住む方の希望するライフスタイルを理解し、設計、デザインが提供できる設計者、工務店を最初に選択することが一番重要なことはいうまでもありません。 |